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2026年09月29日

減量が先?不妊治療が先?妊娠を考えたら知っておきたい治療のタイミング

体重管理と不妊治療を始めるタイミングは、多くの方が悩むテーマです。
今回は、それぞれの優先順位や考え方を整理しながら、最後にウゴービを使った1年間の減量プランについても具体的に見ていきたいと思います。

妊娠前に減量が必要な理由


適正体重は、BMIでいうと19〜24あたりだとされています。これより重くても、軽くても、妊娠・出産にはリスクが増えます。複数の研究により、BMIが20から24.9の範囲にある女性が最も妊娠しやすいことが明らかになっています。

体外受精の成績にも体重は関わってきます。肥満のカップルでは、卵子や精子の質、着床のしやすさなど、いくつもの段階に影響が出ることが知られています。男性側についても、肥満は精子濃度や運動率の低下につながるという報告があり、妊活は女性だけの問題ではありません。

減量が先?それとも不妊治療が先?


ここが一番悩ましいところだと思います。実は、どちらを先にするべきかは、年齢によっても変わってきます。
不妊治療専門医がまとめた記事の中で、参考になる研究が紹介されていました。海外で行われた過去の診療データをもとにした研究で、体外受精を受けた14,213人を体重別に4つのグループに分け、年齢ごとの「最終的に赤ちゃんを出産できた割合(累積生児獲得率)」を比較したものです。
この研究結果をもとに、「減量に1年かかる」と仮定して試算すると、次のような目安が示されています。

・過体重(BMI25〜29.9)の人は、34歳までであれば、先に体重を落とす意味がある
・肥満(BMI30以上)の人は、38歳までであれば、先に体重を落とす意味がある
・痩せ(BMI18.5未満)の人は、32歳までであれば、先に体重を増やす意味がある

一方で、これらの年齢を超えている場合は、体重を整えてから不妊治療を始めるよりも、体重管理と並行して、できるだけ早く不妊治療へ進んだほうが、最終的な妊娠・出産につながる可能性が高い、という計算になります。
つまり、年齢が上がるにつれて、体重が妊娠に与える影響よりも、年齢による妊孕性(妊娠する力)の低下の影響が大きくなる場合がある、ということです。
ただし、これはあくまで研究結果をもとにした目安です。すべての人にそのまま当てはまるわけではありません。

20代であれば、適正体重を目指して1年ほどかけて体重を整えてから、妊娠を考えるという選択肢もあります。一方で、30代半ば以降になると、体重管理を続けながらも、治療開始を先延ばしにせず、不妊治療へ進むという選択も考えられます。そのほうが、妊娠を希望する期間を長く待たずに済み、精神的な負担が少なくなる場合もあります。

ウゴービで1年減量後に妊活を始めるモデルプラン(38歳前後の場合)


肥満群で38歳前後の方が、「これから1年かけて減量したい」と考えた場合を例に、大まかな流れを見てみましょう。

0〜4ヶ月目・増量期

ウゴービは0.25mgから始め、4週間ごとに0.5mg、1.0mg、1.7mg、2.4mgと段階的に増量し、合計16週間かけて維持量に到達する設計になっています。
ただし、この増量スケジュールはあくまで標準的な目安です。0.25mgや0.5mgの段階ですでに体重が順調に減っているのであれば、無理に上限の2.4mgまで増量する必要はありません。
一般的に、用量が増えるほど吐き気や下痢などの消化器症状は出やすくなり、薬剤費も高くなります。低用量でも目標に向かって順調に減量できているのであれば、その用量を維持することで、体への負担や費用を抑えながら続けられる場合があります。

5〜12ヶ月目・維持期

この時期は、十分に効果が出ている用量をキープしながら、減量を続けていく時期です。
臨床試験のデータでは、参加者の約86%が5%以上の体重減少を達成し、半数以上が15%以上の体重減少を達成したと報告されています。ただし、これは上限量まで増量した場合の数字です。低用量でも十分な減量ペースが得られているのであれば、そこが自分にとっての適正な用量ということになります。
大切なのは、増量すること自体が目的ではないということです。増量はあくまで減量するための手段です。主治医と相談しながら、効果・副作用・費用の3つを確認し、自分に合った用量を決めていくことが現実的です。

12ヶ月目・休薬の判断

目標体重に近づいてきたら、妊娠を見据えて、いつウゴービを中止するのかを主治医と相談します。
2ヶ月以内に妊娠を予定している女性は、ウゴービの投与を中止することになっており、これが休薬時期を考えるうえでのひとつの基準になります。
ウゴービは体内から完全に消失するまでに時間がかかる薬です。そのため、妊娠が判明してから慌てて中止するのではなく、妊娠を希望する時期から逆算して、計画的に休薬することが大切です。

13〜14ヶ月目・休薬期間

注射を中止してからの2ヶ月間は、リバウンドが起こりやすい時期でもあります。
この期間は、これまで身につけてきた食事や運動の習慣を続けながら、減量後の体重をできるだけ維持することを意識します。

15ヶ月目以降・妊活開始

2ヶ月間の休薬が完了したら、タイミング法や不妊治療を開始します。
この時点では、年齢は38歳を少し超えるかどうかというラインになります。先ほどの試算に照らすと、ぎりぎり許容範囲に収まるか、境界線上になる計算です。
さらに年齢が上がる場合には、減量を続けながら不妊治療も並行して進める、あるいは不妊治療を先に始めて、体重管理は並行して行う、といった選択肢も現実的になってきます。

減量と不妊治療のタイミングにお悩みの方は、あおば通りかずみクリニックへ

体重を整えることは妊娠のしやすさに関わりますが、年齢が上がるほど優先順位は下がっていきます。
ウゴービでの減量は、上限量まで増やすことが目的ではありません。少ない用量で効果が出ているのであれば、そこで様子を見るという判断も十分にあります。大切なのは、妊活を始めたい時期から逆算し、休薬期間の2ヶ月を含めて、全体のスケジュールを組むことです。実際の治療方針や用量の調整は、不妊治療専門医と処方医の両方に相談しながら決めていくことをおすすめします。

あおば通りかずみクリニックでは、肥満症治療薬「ウゴービ」を使用した治療を行っています。現在の体重やBMI、健康状態などを確認し、一人ひとりに合わせて治療についてご案内しています。
妊娠を考えている方の体重管理についても、妊活を始めたい時期などを踏まえながらご相談いただけます。肥満症治療薬が気になっている方や、自分が治療の対象になるのか知りたい方は、お気軽にご相談ください。

 

医師

執筆

室井 和美
あおば通りかずみクリニック院長
    2000年  順天堂大学医学部 卒業
    2000年~ 公益財団法人 宮城厚生協会坂総合病院 勤務
    2006年~ 医療法人鉄蕉会 亀田総合病院(千葉県) 勤務
    2008年~ 医療法人成和会 山口病院(千葉県) 勤務
    2009年~ 赤坂ブレストインターナショナルクリニック 勤務
    2010年~ 医療法人社団新宿レディースクリニック会
         新宿レディースクリニック・東京レディースクリニック 勤務
    2011年~ 医療法人浄仁会 大泉記念病院 勤務
    2015年~ 医療法人仁泉会 みやぎ健診プラザ 勤務
    2016年  あおば通りかずみクリニック開院
    2021年  医療法人社団誠母至豊会 設立

https://www.kazumi-clinic.com/doctor/

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